アパレル物撮りのトリミングで一覧ページをそろえる|平置き・ハンガー16枚を4つのルールで切り抜いて検証
セントラルオフィス編集部公開日 更新日 約11分で読めます

スマートトリミングAIを開発している株式会社セントラルオフィスです。
位置と大きさをわざとばらした物撮り16枚を、4つのルールで正方形に切り抜いたところ、画像の中央を正方形に切るルールでは16枚中9枚の服が見切れ、服の上端と下端に合わせるルールでは上端・下端の位置のばらつきが0になりました。
一方で、上端と下端に合わせると、横に広い服は袖が画像の端に付き、ハンガーの服はフックの分だけ小さくなりました。
商品一覧ページのそろい方は、撮影の上手さよりも、切り抜くときに何を基準にするかで決まります。
本記事では、4つのルールで同じ16枚を切り抜き、一覧ページ上で服の位置と大きさがどれだけ動くかを数字で比べました。
検証の結論

- 画像の中央を正方形に切ると、16枚中9枚で服の上か下が切れました。 縦長の写真の上下3分の1が落ちるためです
- 切らずに画像全体を正方形に収めると、見切れは0枚でした。ただし服の上端の位置は正方形の高さの2%〜51%に散らばり、撮影時のずれがそのまま残りました
- 服を囲む四角の上端と下端を決めた位置に合わせると、上端・下端・横の中心のばらつきはすべて0になりました
- その代わり、ボーダーTシャツは左右の余白が0.3%まで詰まりました。ハンガーの服は、フックが高さの13〜22%を取り、服の高さが66〜73%に縮みました
検証の条件

素材は、OpenAI Codex CLI 経由の画像生成(gpt-image-2)で作った物撮り16枚です。
実在の商品ではありません。
- 平置き12枚:Tシャツ、ジーンズ、ニット、シャツ、スカート、マキシ丈ワンピース、パーカー、ショートパンツ、カーディガン、キャミソール、ワイドパンツ、ボーダーTシャツ
- ハンガー4枚:Tシャツ、ロングコート、ワンピース、チェックシャツ
どれも白背景・縦長(1024×1536ピクセル)です。
指示には1枚ずつ「左寄せ」「画面の上半分に小さく」「高さの90%まで寄せる」のように置き方を書き、撮影ごとの位置と距離のずれを再現しました。
元画像の段階で、服の上端は画像の高さの2%〜51%、服の高さは35%〜95%に散らばっています。
服の範囲は、画像の縁の色(背景の白)との差で取り出し、服をぴったり囲む四角(外接矩形)を求めました。
16枚すべてで、四角が服の輪郭に沿っていることを目で確かめています。
この四角を使って、次の4つのルールで1000×1000ピクセルの正方形に切り抜きました。
処理はPythonの画像ライブラリ(Pillow)で書いた100行ほどのスクリプトです。
| ルール | 切り抜き方 |
|---|---|
| A 中央を正方形に切る | 画像の短辺いっぱいの正方形を、画像の中央から切る。服の位置は見ない |
| B 切らずに全体を収める | 画像全体を縮小して正方形に収め、空いたところを白で埋める |
| C 上端・下端に合わせる | 四角の上端を正方形の上から8%、下端を92%に合わせ、横は四角の中心を真ん中に置く |
| D 長辺を84%にそろえる | 四角の長いほうの辺を正方形の84%にし、四角の中心を正方形の中心に置く |
AとBは服の位置を見ないルール、CとDは服の四角を基準にするルールです。
CとDで服に割く割合は、どちらも84%にそろえました。
測ったのは、切り抜いた後の正方形の中で、服の上端・下端・横の中心がどこに来たかと、服の高さです。
どれも正方形の一辺に対する%で表し、16枚の標準偏差(SD)と、最大と最小の差(幅)を出しました。
服の四角が正方形からはみ出した画像は「見切れ」と数えています。
検証結果の一覧

| ルール | 上端のSD | 上端の幅 | 服の高さの範囲 | 横の中心のSD | 見切れ |
|---|---|---|---|---|---|
| A 中央を正方形に切る | 17.8 | 74.2 | 52〜142% | 8.0 | 9枚 |
| B 切らずに全体を収める | 11.9 | 49.5 | 35〜95% | 5.3 | 0枚 |
| C 上端・下端に合わせる | 0 | 0 | 84%(全枚) | 0 | 0枚 |
| D 長辺を84%にそろえる | 2.2 | 6.5 | 71〜84% | 0 | 0枚 |
Aの服の高さが100%を超えているのは、服が正方形からはみ出しているためです。
CとDは、どちらも見切れがなく、位置のばらつきもほぼありません。
違いが出たのは、横に広い服とハンガーの服でした。
ここからルールごとに見ていきます。
A 中央を正方形に切ると、縦長の服から切れる

縦長の写真を正方形に切ると、上下で合わせて3分の1が落ちます。
服が画像いっぱいに写っているほど、その3分の1に服の端が入ります。

マキシ丈ワンピースは、肩と裾の両方が切れました。
見切れた9枚は、ジーンズ、スカート、ワンピース、パーカー、カーディガン、ワイドパンツと、ハンガーの3枚です。
一方、画面の上半分に小さく置いたニットは切れずに残りました。
ただし正方形の上のほうに小さく浮いています。
中央で切るルールは、服がどこにあっても同じ場所を切るので、撮影のずれを直しません。
B 切らずに収めると、撮影のずれがそのまま並ぶ

見切れは0枚です。
その代わり、服の上端は正方形の高さの2%〜51%に、服の高さは35%〜95%に散らばりました。
元画像のばらつきが、縮小されてそのまま一覧に出ています。
撮影の時点で位置と距離を固定できているなら、このルールでも一覧はそろいます。
撮るたびにずれるなら、切り抜きの側で服を基準に置き直す必要があります。
C 上端・下端に合わせると、位置は完全にそろう

服の四角の上端と下端を同じ位置に合わせたので、上端・下端・高さのばらつきは0です。
一覧で見たときに目が行く「服の肩の高さ」と「裾の高さ」が、平置きの服ではほぼ一直線に並びました。
このルールで崩れたのは2つです。
横に広い服は、袖が端に付く

高さを84%に合わせると、横幅は服の縦横比で決まります。
袖を広げたボーダーTシャツは、横幅が正方形の99.4%になり、左右の余白が0.3%しか残りませんでした。
16枚中4枚(ニット、パーカー、ショートパンツ、ボーダーTシャツ)は、横幅が90%を超えました。
今回は見切れまでは起きませんでしたが、もっと横に広い服なら袖が切れます。
キャミソールとワンピースが同じ高さになる

服の高さをそろえると、丈の違いは一覧から消えます。
キャミソールとマキシ丈ワンピースが同じ大きさで並びます。
丈の違いを一覧で見せたいなら、撮影距離を固定し、切り抜きでは倍率を変えずに位置だけを合わせる必要があります。
どちらを選ぶかは、切り抜く前に決めておく項目です。
D 長辺でそろえると、横に広い服も余白が残る

長いほうの辺を84%にそろえると、縦長の服はCと同じ結果になり、横に広い服は横幅が84%で止まります。
左右の余白は最低でも8%残りました。
代わりに、横に広い服は上端が下がります。
上端の位置は8%〜14.5%で、SDは2.2でした。
一覧で見ると、ニットやボーダーTシャツのような横に広い服の肩だけが、わずかに低く並びます。
Cは上端をそろえて袖の余白を削り、Dは袖の余白を残して上端を少し下げます。
縦長の服ではCとDは同じ結果なので、違いが出るのは横に広い服だけです。
肩の線をそろえることを優先するならC、袖の余白を優先するならDを選ぶことになります。
ハンガー撮影はフックの分だけ服が小さくなる

服の四角を背景との差で取ると、ハンガーのフックも服の一部として囲まれます。
4枚のハンガー写真では、フックとハンガーが四角の高さの13〜22%を占めました。
その結果、Cで切り抜くと服そのものの高さは66〜73%になり、平置きの84%より小さく写ります。
服の肩の位置も、平置きのトップス5枚(Tシャツ・ニット・シャツ・カーディガン・ボーダーT)が正方形の上から11〜17%なのに対し、ハンガーは19〜26%でした。
平置きとハンガーを同じ一覧に並べると、ハンガーの服だけが低く小さく見えます。
右の画像は、フックを除いた部分(ハンガーの肩から下)の上端を8%に合わせたものです。
服の大きさは平置きとそろいますが、フックは正方形の上で切れます。
検証から分かったこと
- 服の位置を見ないルールでは、一覧はそろいません。 中央で切ると見切れが出て、切らずに収めると撮影のずれが残りました
- 服を囲む四角を基準にすると、位置のばらつきはほぼ0になります。 残る差は、何を基準にするかで決まる「崩れ方」の違いです
- 崩れ方は服の形で決まります。 高さでそろえると横に広い服が、長辺でそろえると上端が、フックを含めるとハンガーの服が崩れました
実務では、自分の店の商品構成で崩れる服が少ないルールを選び、崩れる服だけを手で直すのが現実的です。
切り抜く前に決める3つ

- そろえる線:服の上端と下端を基準にするか、画像の中央を基準にするか。今回の結果では、服の四角を基準にしない限り一覧はそろいませんでした
- 高さか長辺か、そして何%か:袖を広げたトップスが多く、袖の余白を残したいなら長辺。肩の線をそろえたいなら高さ。服に割く割合(今回は84%)も数字で決めておきます
- ハンガーのフックを含めるか:平置きとハンガーを同じ一覧に並べるなら、フックを除いて肩で合わせるほうが大きさがそろいます
この3つを書き出しておけば、担当者が変わっても、外注先に頼んでも、同じ一覧ができます。
自分の写真で同じ測り方をする手順
手元の物撮りで、どのルールが合うかを確かめる手順です。
白背景で撮った写真なら、同じ方法で測れます。
- 最近の商品写真から、トップス・ボトムス・ワンピース・ハンガー撮影を混ぜて10〜20枚選ぶ
- 背景との差で服を囲む四角を取り、四角が服に沿っているかを目で確かめる。影が濃い写真は、四角が影まで広がります
- CとDの2つのルールで正方形に切り抜き、一覧ページと同じ並びで見比べる
- 左右の余白が5%を切った服と、肩の位置が周りから外れた服を数える。少ないほうのルールを採る
四角を取ってDで切り抜く部分は、Pillowとnumpyで次のように書けます。
今回の検証で使ったものを短くしたものです。
from PIL import Image
import numpy as np
def trim_long_side(path, size=1000, occ=0.84):
im = Image.open(path).convert("RGB")
a = np.asarray(im).astype(int)
bg = np.median(np.concatenate([a[0], a[-1], a[:, 0], a[:, -1]]), axis=0)
mask = np.abs(a - bg).max(axis=2) > 14 # 背景の白との差
ys, xs = np.where(mask)
x0, x1, y0, y1 = xs.min(), xs.max() + 1, ys.min(), ys.max() + 1
s = occ * size / max(x1 - x0, y1 - y0) # 長辺を84%に
r = im.resize((round(im.width * s), round(im.height * s)))
out = Image.new("RGB", (size, size), "white")
out.paste(r, (round(size / 2 - (x0 + x1) / 2 * s), round(size / 2 - (y0 + y1) / 2 * s)))
return out
Cにするときは、s を四角の高さで決め、四角の上端が上から8%に来るように貼り付け位置を変えます。
販路の規定で気をつけること
切り抜きのルールは、販路の画像規定の中で決める必要があります。
- Amazon:商品画像のガイドは、メイン画像について「商品が画像の85%を占める」「商品の一部を切らない」と定めています。服&ファッションのガイドラインでは、大人向けの服のメイン画像はモデル着用が原則で、モデルなしで見せるよう求められているのは子ども・ベビーの下着や水着などです。今回は服の長辺を84%にしましたが、Amazonに出すなら85%に合わせて割合を上げます
- Shopify:ヘルプセンターは、メイン画像の縦横比を統一しないと表示サイズがそろわないとしています。今回の4つのルールはどれも正方形で出力しているので、この条件は満たします
ほかのモールのサイズ規定は、ECモール別の商品画像サイズの比較にまとめています。
まとめ
位置と大きさがばらばらの物撮り16枚を4つのルールで切り抜くと、服の位置を見ないルールでは見切れか撮影のずれが残り、服を囲む四角を基準にしたルールでは位置のばらつきがほぼ0になりました。
基準にしたあとに残るのは、横に広い服・丈の違い・ハンガーのフックをどう扱うかです。
切り抜きを始める前に、そろえる線、高さか長辺か、フックの扱いの3つを決めておくと、一覧ページが同じ見え方で並びます。
大きさ・位置・占める割合・背景の明るさの4つで、ばらばらの写真がどこまで一括でそろうかは、商品画像を統一する方法で測っています。



