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服の採寸方法を検証|測る位置・カメラの傾き・生成AIで何cmずれるか

公開日

スマートトリミングAIを開発している株式会社セントラルオフィスです。

フリマアプリや自社ECに服を出品するとき、寸法表の数字をどう測るかで迷ったことはないでしょうか。

メジャーを当てる位置はメルカリのガイドなどで紹介されていますが、1着ずつ測るのは手間がかかるので、写真で済ませたくなります。

最近は、写真を生成AIに渡して寸法を答えさせる方法も出てきました。

ただ、測る位置を少し変えたとき、写真で測ったとき、AIに測らせたときに、数字が何cmずれるのかはほとんど書かれていません。

どこまでなら写真やAIに任せてよく、どこからはメジャーが要るのでしょうか。

私たちは商品画像を扱う道具を作っているので、写真の写り方が寸法にどう効くかは、自分たちで確かめておきたいテーマです。

そこで今回は、平置きのサンプル写真3点を使い、測る位置・カメラの傾き・生成AIの3つで、同じ服の寸法が何cm変わるかを測ってみました。

寸法表の数字をそろえたい方は、参考にしてください。

結論:服の寸法をずれずに測るやり方

結論から言うと、数字がずれる原因はメジャーの当て方の丁寧さではなく、どこから測ったかと、写真をどう撮ったかにありました。

同じTシャツの着丈が、起点の取り方だけで70.0cm・68.3cm・65.6cmと変わっています。

写真に写したA4用紙を目盛り代わりにすると、カメラが5度傾くだけで着丈が約7cmずれました。

生成AIは、端から端までの長さなら0.6cm以内で当てた一方、肩幅や股上のように境目の判断が要る部位では1〜9.7cm外れています。

3つの実験の結果を実物の写真で並べた図。1 測る位置:同じTシャツの着丈が起点によって70.0cm、68.3cm、65.6cmと最大4.4cm違い、寸法表に起点を書く。2 写真の傾き:15度傾けて撮ると着丈70.0cmが51.6cmと換算され、5度でも約7cmずれるので、A4は測る所の真横に置く。3 生成AI:ジーンズの総丈とウエストは0.6cm以内で当たったが、肩幅・股上・身幅は1〜9.7cm外れたので、境目の部位はメジャーで確かめる
左から、測る位置・写真の傾き・生成AIの結果

なので、次の手順で測るのがおすすめです。

  1. 着丈は起点を決めて、寸法表に書く。 「着丈(首の後ろの中心から)」のように添えると、読む人が手持ちの服と同じ条件で比べられます
  2. 写真で測るなら、A4用紙を測る所の真横に置く。 パンツの脚の真横に置いた場合は、15度傾けても総丈のずれは1.4cmでした
  3. 写真やAIの数字は下書きにして、境目の部位はメジャーで確かめる。 肩幅・股上・股下の3か所だけでも、載せる前に1回測ります

ここからは、部位ごとの測り方をまとめたあと、3つの実験の中身を順に見ていきましょう。

平置きで測る主な部位

平置きのTシャツで肩幅・身幅・着丈・袖丈、ジーンズでウエスト・股上・股下・わたり・裾幅を測る位置を青い矢印で示した図
トップスとパンツの主な採寸位置

服は床や机に平らに置き、しわを伸ばしてから測ります。

フリマアプリや通販の寸法表で使われる主な部位は次の通りです。

部位測る位置
着丈襟の付け根付近から裾まで(起点は下の実験1を参照)
身幅左右の脇の下を結んだ横幅
肩幅左右の肩の縫い目の間
袖丈肩の縫い目から袖口まで
裄丈首の後ろの中心から肩を通って袖口まで
ウエストウエストの端から端(平置きの幅)
股上ウエストの上端から股の縫い目の交わる所まで
股下股の縫い目の交わる所から裾まで
わたり股の縫い目のすぐ下で測る片脚の幅
裾幅裾の片脚の幅

平置きの寸法は、服そのものの大きさです。

体を測るヌード寸法とは別物なので、比べるときは手持ちの服を同じ方法で測って比べてください。

表の着丈に「起点は実験1を参照」と書いたのは、ここが記事や店によって違うからです。

その違いが何cmになるかを、このあと実験1で測っています。

検証の条件

素材は、画像生成AIの codex(gpt-image-2)で作った平置きの写真3点(白いTシャツ・長袖のシャツ・ストレートのジーンズ)です。

木の床に置いた服を真上から撮った想定で、顧客の写真や他社の商品画像は使っていません。

生成された写真では、目盛り代わりのA4用紙が床と違う角度にゆがんで描かれていました。

このままではA4を基準にした換算がずれるので、床の目地が平行・等間隔になるように写真を補正し、生成されたA4を消してから、正確な長方形のA4(210×297mm)を服の横に合成し直しています。

正解の寸法は「A4から決めた1画素あたりの長さ×画像上の画素数」で出し、Tシャツの着丈を70.0cm、シャツの着丈を75.0cm、ジーンズの総丈を102.0cmにそろえました。

どれも画像の上での寸法で、実物の服を測った値ではありません。

3つの実験の測り方は次の通りで、検証日は2026年9月28日です。

  • 実験1 測る位置:着丈の起点、身幅の高さ、股の付け根の取り方を変えて、画像上で測り直しました
  • 実験2 写真の傾きと基準物:スマートフォンの標準カメラ(35mm換算26mm)で、服全体が入る距離から撮ったと仮定しました。カメラを0〜20度傾けたときの写り方を計算し、A4から換算した寸法のずれを求めています
  • 実験3 生成AIに測らせる:codex CLI(ChatGPTのサブスクリプションで利用)に写真を渡し、部位ごとの寸法を答えさせました。A4を写して「横の白い紙はA4」と伝える条件と、A4を消した写真だけを渡す条件を、服ごとに3回ずつ試しています

実験1 同じ服でも測る位置で数字が変わる

最初に、写真もAIも使わず、人が測る位置を変えるだけで数字がどれだけ動くかを見ました。

ここで出た差が、あとの2つの実験のずれを比べるときの物差しになります。

着丈は、肩のどこから測り始めるかが記事やサイトによって違います。

よく使われる3つの起点で、同じTシャツを測りました。

白いTシャツの着丈を3つの起点から測った比較。肩の一番高い点から70.0cm、首の後ろの中心から68.3cm、襟の下から65.6cm。首まわりの拡大図つき
見てほしいのは右上の首まわりの拡大。3本の線の始まる高さが違う

肩の一番高い点(HPS)から測ると70.0cm、首の後ろの中心(BNP)からは68.3cm、襟の縫い目の下からは65.6cmでした。

最大で4.4cmの差です。

Tシャツのサイズ表記は、S・M・Lの1段で着丈が2〜3cmほど変わることが多いので、起点が違うだけで1サイズ分ずれて見えるわけです。

長袖のシャツでは、首の後ろの中心と襟の下がほぼ同じ位置にあり、差は0.4cmでした。

ただし、立った襟の上端から測ると+3.5cmになります。

着丈のほかにも、測る位置で変わる部位がありました。

  • 身幅:脇の下ちょうどではなく2.5cm下で測ると、Tシャツで+1.1cm、シャツで+0.5cm変わりました
  • 袖丈と裄丈:裄丈は首の後ろの中心から測るので、袖丈よりTシャツで22.2cm、シャツで23.6cm長くなります。名前を取り違えると大きくずれます
  • 股上と股下:股の付け根を縫い目の交わる所ではなく「脚の間に床が見え始める所」で取ると、股上が+7.9cm、股下が-7.8cm変わりました

どの測り方も間違いではありません。

ただ、測り方が書かれていない寸法表どうしを比べると、服の大きさではなく測り方の違いを比べることになります。

人が測っても数cm動くと分かったので、次は写真で測ったときに、ここへどれだけ上乗せされるかを確かめました。

実験2 写真で測るとカメラの傾きで大きくずれる

写真に写したA4用紙の長さから1画素あたりの長さを出し、服の寸法に換算する方法を想定しました。

メジャーを当てずに済むので、枚数が多いときに試したくなる方法です。

まず、カメラを手前に15度傾けて撮った場合を見てみました。

真上から撮ったTシャツと、15度傾けて撮ったTシャツの比較。真上では着丈70.0cm、身幅47.1cm。15度では着丈51.6cm、身幅36.6cmと換算された
見てほしいのは右の写真のA4。服の上側が遠くなるので、手前のA4だけが大きく写っている

15度傾けると、着丈70.0cmのTシャツが51.6cmと換算されました。

このときA4は、裾の下の手前側です。

カメラを傾けると服の上側ほどレンズから遠くなり、小さく写ります。

手前のA4は大きく写るので、A4を目盛りにすると服が実際より小さく計算されます。

15度は大きめの傾きなので、手で持って撮るときに起きる程度の小さな傾きでもずれるのかを確かめるため、傾きを0〜20度で変え、A4を服の上側(奥)と下側(手前)に置いた場合を比べました。

カメラの傾きと換算した寸法のずれのグラフ。A4を上側に置くと長く、下側に置くと短く出る。5度でTシャツの着丈は+7.6cmまたは-6.9cm、20度でパンツの総丈は+51.3cmまたは-33.7cm
見てほしいのは5度の点。目で分からない程度の傾きでも、着丈が約7cmずれている

5度の傾きで、Tシャツの着丈はA4を奥に置くと+7.6cm、手前に置くと-6.9cmずれました。

5度は、スマートフォンを手で持って真上から撮ったつもりでも起こる程度の傾きです。

実験1の起点の差(最大4.4cm)より、傾きによるずれの方が大きく出ています。

ずれの大きさを決めていたのは、A4と服の距離でした。

A4が服から離れているほど、A4と服の間でレンズまでの距離の差が大きくなり、ずれも大きくなります。

そこでA4を服と同じ距離、つまり測る所の真横に置いたところ、結果が変わりました。

ジーンズの脚の真横に置いた場合、15度傾けても総丈のずれは+1.4cm、20度でも+2.9cmでした。

基準物の大きさも効きます。

基準物の端を1画素読み違えたときの着丈のずれは、A4で±0.07cm、名刺で±0.24cm、500円玉で±0.80cmでした。

小さい基準物ほど、1画素の読み違いが服全体に引き伸ばされます。

置き場所と大きさを守れば写真でも誤差は1〜2cmに収まりますが、写真から寸法を読み取る作業そのものは人の手に残ります。

その読み取りまで生成AIに任せられるかを、最後に試しました。

実験3 生成AIは端から端は測れるが境目の判断で外れる

写真を生成AIに渡して、部位ごとの寸法を答えさせる方法です。

渡した写真は次の2種類です。

実験3で生成AIに渡したジーンズの写真。左はA4用紙を脚の横に置いた写真、右は同じ写真からA4を消したもの
見てほしいのは左の写真の右下。A4がある条件では、AIに「横の白い紙はA4」と伝えた

3着×2条件×3回の18回とも、答えに数字が入らなかった回はありません。

正解との差の平均は、A4ありでTシャツ2.2cm・シャツ2.8cm・ジーンズ1.1cm、A4なしで2.7cm・4.4cm・2.7cmです。

平均だけなら使えそうに見えますが、部位ごとに分けると、ずれ方に偏りがありました。

生成AIが答えた寸法と正解との差を部位ごとに3回分プロットした図。A4ありでは総丈・Tシャツの着丈・ウエスト・裾幅が0付近に集まり、肩幅・股上・股下・シャツの着丈・シャツの身幅が大きく外れている
見てほしいのは青い点。0の線に乗る部位と、離れる部位に分かれている

A4を写して伝えると、ジーンズの総丈・ウエスト・裾幅とTシャツの着丈は、3回とも0.6cm以内で当たりました。

どれも服の端から端までを測る部位です。

外れたのは、境目をどこと見るかで答えが変わる部位です。

Tシャツの肩幅は3回中2回で6.8〜7.8cm短く、シャツの着丈は1.5〜4.3cm長く出ました。

ジーンズの股上は1.3〜3.3cm短く、股下は1.8〜3.8cm長く、シャツの身幅は1回だけ9.7cm長くなりました。

肩の縫い目や股の付け根は、実験1で人が測っても数cm変わった所です。

人が迷う所で、AIも判断を誤っていました。

A4なしでも、ずれは平均2.7〜4.4cmに収まっています。

ただし、今回の服は正解を一般的な寸法(Tシャツの着丈70cmなど)にそろえました。

A4なしの答えは身幅51〜53cm、着丈68〜72cmのようなよくある値に寄っていたので、標準から外れた大きさの服では大きく外れる可能性があります。

実際、服の大きさをそろえる前の写真で試したときは、A4なしで最大19.2cmずれました。

A4なしで当たったように見えたのは、服がたまたま標準の大きさだったからだと考えています。

検証から分かったこと

分かったこと3つ。1 数字より先にどこからをそろえる。2 基準物は大きく、服と同じ高さに。3 AIは端から端は得意、境目の判断は苦手
3つの実験から分かったこと
  1. 採寸の数字は、測り方の定義で数cm動きます。 着丈の起点で4.4cm、股の付け根の取り方で7.9cm変わりました。寸法表の数字だけを比べても、定義が違えば比べたことになりません
  2. 写真で測るときに一番効くのは、基準物の置き場所です。 A4を測る所から離して置くと、5度の傾きで約10%ずれます。真横に置けば15度でも1〜2%で済みました。基準物は、名刺や硬貨より大きいA4の方が読み違いに強くなります
  3. 生成AIは、端から端までの長さは得意で、境目の判断が苦手です。 A4を写せば総丈や裾幅はほぼ当たりますが、肩幅や股上は外れます。外れる部位は、人が測っても迷う部位と重なっていました

3つを並べると、ずれが大きくなるのはどれも「どこを境目と見るか」と「何を基準にするか」が決まっていない所でした。

写真や生成AIで測った数字は、出品前の下書きとしては使えます。

寸法表に載せる前に、肩幅と股上だけでもメジャーで確かめるのが現実的です。

写真で測る前のチェック

写真で測る前のチェック5項目。A4を測る所の真横に置く、真上から服全体が入る距離で撮る、床に平らに広げしわを伸ばす、着丈はどこから測ったか書く、AIの数字はメジャーで1回確かめる
写真で測る前に確認する項目
  • 置き方:服を床に平らに広げてしわを伸ばし、A4用紙を測りたい部位の真横の床に置きます
  • 撮り方:グリッド線や水平器を表示できるカメラなら、それを使って服全体が入る距離から真上で撮ります
  • 書き方:寸法表には、着丈の起点など測り方の定義を添えます
  • 確かめ方:写真や生成AIで出した数字は、肩幅・股上・股下の境目の判断が要る部位だけでも、メジャーで1回確かめます

この検証の写真は画像生成AIで作ったサンプルで、実験2はカメラの傾きを計算で再現しました。

実物の服では、生地の伸びや縫い目の厚み、スマートフォンのレンズの補正によって数字が変わるはずです。

条件ごとの差の目安として見てください。

今後の検証

今回の検証は、画像の上で正解を決めたサンプル写真によるものです。

実物で同じ差が出るかはまだ確かめていないので、次は実物の服を数着用意し、メジャーで測った値と、写真・生成AIで測った値を比べる予定です。

まとめ

服の採寸では、メジャーの当て方より先に、どこから測るかで数字が変わります。

同じTシャツの着丈が起点の取り方だけで最大4.4cm違ったので、寸法表には起点を添えるのが確実です。

写真で測る場合は、A4用紙を測る所の真横に置くと、カメラの傾きによるずれを小さくできます。

生成AIに測らせると、端から端までの長さはほぼ当たりました。

とはいえ、肩幅や股上のように境目の判断が要る部位では外れるので、写真やAIの数字は下書きにとどめ、その部位だけはメジャーで確かめてから載せるのが安心です。

次に寸法表を作るとき、まずは着丈の横に「どこから測ったか」を書き足してみてはいかがでしょうか。

よくある質問

参考リンク

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