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ZOZOTOWN出店の手数料を検証|決算から出した手数料率と楽天・自社ECとの1着あたりの手取りを比較

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スマートトリミングAIを開発している株式会社セントラルオフィスです。

自社ブランドの服をZOZOTOWNに出すかどうかで、手数料の高さが気になっている方は多いのではないでしょうか。

ZOZOTOWNの手数料は「30%前後」と紹介されることが多く、楽天市場や自社ECの料金表と並べると高く見えます。

ただ、ZOZOTOWNの受託販売では、ショップは商品をZOZOの物流拠点に預け、採寸・撮影・発送はZOZO側が行います。

楽天市場や自社ECでは、同じ作業の費用をショップが自分で払う形です。

その費用まで入れて比べたとき、ZOZOTOWNは本当に割高なのでしょうか。

そこで今回は、ZOZOの決算短信から手数料率を7年分計算し、税込1万円の服が1着売れたときに手元に残る額を、ZOZOTOWN・楽天市場・自社EC(Shopify)の3つで比べてみました。

毎年どれくらいのショップが退店しているかも、同じ決算から出しています。

結論:ZOZOTOWNに出すかを数字で決めるやり方

結論から言うと、手数料率ではなく「1着売れて手元に残る額」で比べると、ZOZOTOWNと自社ECの差はかなり縮みました。

ZOZOTOWNの実質の手数料率は7年とも27〜29%で、手数料だけを引けば自社ECの方が1着あたり約2,200円多く残ります。

ところが、ささげ(撮影・採寸・原稿)と物流の費用まで引くと、1型あたり3着しか売れない服では手取りがほぼ同じでした。

ZOZOTOWNでは毎年59〜94ショップが退店しており、出店したあとの入れ替わりも一定の割合で起きています。

3つの検証のグラフを並べた図。1 手数料率:決算から計算すると7年とも27.3〜29.4%で、2026年3月期は27.3%。2 1着あたりの手取り:手数料だけなら自社ECが約2,200円多く残るが、ささげと物流まで引くと1型3着では差がほぼ0。3 退店:新規出店は毎年111〜225、退店は毎年59〜94で、全体の4〜7%が入れ替わる
左から、手数料率・1着あたりの手取り・退店の結果

なので、出店を決めるときは次の順で数字を出すのがおすすめです。

  1. 1型あたり何着売れているかを出す。 過去の販売データから、型ごとの販売着数の中央値を取ります。3着前後ならZOZOTOWNとの差はほとんどありません
  2. ささげと物流に1着あたりいくら払っているかを出す。 外注なら請求額、社内なら人件費を、1型・1件あたりに直します
  3. 自社ECとの差額を、1着売るための広告費と比べる。 広告で1着売るのに差額以上かかるなら、ZOZOTOWNの方が多く残ります

ここからは、受託販売の仕組みを確認したあと、3つの検証の中身を順に見ていきましょう。

ZOZOTOWNの受託販売の仕組み

ZOZOTOWNの出店ショップの大半は「受託販売」です。

2026年3月期末のショップ数1,710のうち1,689が受託販売で、ZOZOTOWN全体の取扱高の73.9%を占めています。

受託販売でショップが商品を預ける先は、ZOZOの物流拠点「ZOZOBASE」です。

ZOZOBASEの役割について、ZOZOはプレスリリースで次のように説明しています。

採寸や撮影、発送などの一連のフルフィルメント業務を担う

プレスリリース株式会社ZOZO プレスリリース原文を読む

ZOZOの公式ページには、出店条件や手数料率、これらの作業が手数料に含まれるのか別料金なのかは書かれていません。

この記事では、別料金はないものとして計算しました。

手数料の中にささげと物流が入っているなら、手数料率だけを楽天市場や自社ECと並べても公平な比べ方にはなりません。

そのため、このあとの検証では作業の費用まで含めた手取りで比べています。

検証の条件

手数料率と退店数は、ZOZOの決算短信(2020年3月期〜2026年3月期の7期分)の数字から計算しました。

手数料率は「受託販売手数料÷受託販売の商品取扱高」です。

決算短信の取扱高は、買取販売の売上高との比から、税抜の販売額で数えていると判断しました。

楽天市場と自社ECの費用には、2026年9月29日時点の公式の料金表を使っています。

  • 楽天市場:月100着は「がんばれ!プラン」(月額25,000円)、月1,000着は「スタンダードプラン」(月額65,000円)。システム利用料、ポイント原資、楽天ペイの決済手数料を含めました
  • 自社EC:Shopifyのベーシックプラン(月額4,850円)とShopifyペイメントの決済手数料3.55%
  • ささげ:ささげ代行会社の公開料金から、撮影・採寸・原稿込みで1型5,000円。1型あたりの販売着数で割って、1着あたりの費用にしました
  • 物流:物流代行会社の公開料金から、入荷・ピッキング・配送で1件427〜806円

広告費は3つとも入れていません。

ZOZOTOWNに預けるための配送費や返品の費用も入れていないので、実際の手取りはここから下がります。

実験1 手数料率は7年とも27〜29%

最初に、比べる土台になるZOZOTOWNの手数料率を決算から出しました。

公式ページに率が書かれていないので、決算短信の「受託販売手数料」を「受託販売の取扱高」で割っています。

ZOZOTOWN受託販売の実質手数料率の推移。2020年3月期28.3%、2021年3月期29.4%、2022年3月期28.4%、2023年3月期27.9%、2024年3月期27.6%、2025年3月期27.7%、2026年3月期27.3%
見てほしいのは縦軸の幅。7年で2ポイントしか動いていない

2026年3月期の実質の手数料率は27.3%でした。

受託販売の取扱高4,927億円に対して、受託販売手数料が1,347億円です。

最も高かったのは2021年3月期の29.4%で、そこから少しずつ下がっています。

7年の平均は28.1%で、「30%前後」という紹介より少し低めです。

ただし、これは全ショップの平均なので、ショップごとの料率は契約によって違います。

率そのものは7年でほとんど動いていないと分かったので、次はこの率で1着売れたときに手元に何円残るかを、楽天市場・自社ECと並べました。

実験2 ささげと物流を入れると差が縮む

税込1万円の服(税抜9,091円)が1着売れたときの手取りを、月100着売れるショップで計算しました。

税込1万円の服が1着売れたときの手取りの比較。手数料だけならZOZOTOWN6,514円、楽天市場7,865円、自社EC8,687円。ささげと物流を引くと、自社ECは1型3着、楽天市場は1型5〜10着でZOZOTOWNと並ぶ
見てほしいのは右のグラフで、帯が青い線を越える位置

手数料だけを引くと、ZOZOTOWNは6,514円、楽天市場は7,865円、自社ECは8,687円が残ります。

この段階では、自社ECの方が約2,200円多い計算です。

ここから、ZOZOTOWNではZOZO側が行うささげと物流の費用を、楽天市場と自社ECだけ引きました。

1型あたり3着しか売れない服では、自社ECの手取りは6,215〜6,594円で、ZOZOTOWNとほぼ同じでした。

ささげは型ごとにかかる費用なので、1型あたりの販売着数が少ないほど1着あたりの負担が重くなるわけです。

1型あたり10着売れる場合は、自社ECがZOZOTOWNより870〜1,250円多く残りました。

楽天市場は同じ10着で−100〜+570円と、ほぼ並ぶ程度です。

月1,000着売れるショップで計算し直しても、傾向は変わりませんでした。

この差額は、楽天市場や自社ECで1着売るために使える広告費の上限と見てよい額です。

ZOZOTOWNとの差が1着1,000円なら、広告で1着売るのに1,000円以上かかる時点で、ZOZOTOWNの方が多く残る計算です。

手取りの面では思ったほど差がないと分かったので、最後に、出店したショップがどれくらい続いているかを決算から見ました。

実験3 毎年約90ショップが退店している

退店数は、決算短信には直接書かれていません。

そのため「その年の新規出店数−ショップ数の純増」で出しました。

ZOZOTOWNの新規出店と退店の推移。2020年3月期は新規184・退店92、2023年3月期は新規111・退店59、2026年3月期は新規151・退店90
見てほしいのは灰色の棒。2023年3月期を除き、退店は毎年85〜94でほぼ一定

2026年3月期は新規出店151に対して純増61で、90ショップが退店しています。

7年の退店数は59〜94で、期首のショップ数に対して4〜7%です。

新規出店の方が多いので、全体のショップ数は増え続けているのが実情です。

この数字はZOZOTOWN全体(受託販売と買取販売の合計)で、退店の理由は決算短信には書かれていません。

出店して終わりではなく、毎年一定の割合でショップが入れ替わっていることは、出店を決めるときの前提として持っておきたい数字です。

検証から分かったこと

  1. 手数料率だけで比べると、ZOZOTOWNは割高に見えます。 差の大部分は、ZOZOTOWNではZOZO側が行うささげと物流の費用でした
  2. 分かれ目は1型あたりの販売着数です。 型数が多く1型あたりの着数が少ないブランドほど、ささげの負担が重く、ZOZOTOWNとの差は小さくなります
  3. 自社ECとの差額は、広告費の上限として見ると判断しやすくなります。 1着売るための広告費がこの差額を超えるなら、ZOZOTOWNの方が多く残ります

3つを並べると、比べる物差しを「率」から「1着の手取り」に変えるだけで、見え方が大きく変わりました。

手数料率の数字だけで出店をやめる前に、自社の販売着数とささげの費用を一度出しておくのが確実です。

出店を決める前のチェック

出店を決める前のチェックリスト。1型あたり何着売れるか、ささげと物流に今いくら払うか、自社ECの集客に1着いくら使うか、在庫をZOZOに預けられるか
出店を決める前に確かめる4項目
  • 1型あたり何着売れるか:過去の販売データから、型ごとの販売着数の中央値を出しておきます
  • ささげと物流に今いくら払っているか:外注なら請求額、社内なら人件費を1型・1件あたりに直します
  • 自社ECの集客に1着いくら使っているか:広告費を広告経由の販売着数で割ります
  • 在庫をZOZOに預けられるか:受託販売では商品をZOZOBASEに預けるので、楽天市場や自社ECと在庫をどう分けるかを決めておきます

今後の検証

今回は、公開されている料金表と決算の数字だけで計算しました。

ささげ代行や物流代行の料金は、依頼量や作業内容で大きく変わるものです。

次は、ささげの内訳(撮影のカット数・採寸の箇所数)ごとに、1型あたりの費用がどれだけ変わるかを調べる予定です。

まとめ

ZOZOTOWNの実質の手数料率は、決算から計算すると7年とも27〜29%でした。

手数料だけを比べると楽天市場や自社ECより手取りは少なくなります。

とはいえ、ZOZOTOWNではささげと物流をZOZO側が行うので、その費用まで入れると差は縮みます。

1型あたり3着しか売れない服では、自社ECとの差はほぼありませんでした。

比べるときは、手数料率ではなく「1着売れて手元に残る額」で見るのが確実です。

そのうえで自社ECとの差額を1着あたりの広告費と見比べると、どちらに多く出すかを決めやすくなります。

出店を検討しているなら、まずは自社の服が1型あたり何着売れているかを出してみてはいかがでしょうか。

よくある質問

参考リンク

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